消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

消費者機構日本とは

第11回通常総会報告

 消費者機構日本は、第11回通常総会を2015年6月16日に開催いたしました。

 第11回通常総会では、2014年度の事業報告・決算と定款変更が承認されました。また、今総会で辞任される理事3名と監事1名の補充選任をおこないました。その後、2015年度の事業計画と予算の報告を行いました。第11回通常総会の開催概要は以下のとおりです。

日時

2015年6月16日(火) 18時00分から18時33分

場所

東京都千代田区六番町15 プラザエフ8階「スイセン」

参加者

出席表決権総数110(実出席表決権数45、委任状表決権数4、書面表決権数61)
※表決権総数131の過半数を大幅に超え、総会は成立

議題

≪審議事項≫

≪報告事項≫

議事の経過の概要及び議決の結果

 冒頭に狩野拓夫副理事長が18時00分現在の出席状況(表決権総数131個のうち出席表決権総数が110個)を報告、定款第31条の要件を充足したため総会の成立と開会を宣言しました。そして、定款第30条に基づく議長発議に際し、芳賀理事長は第4号議案提案前に理事を辞任することから、その後の議長については理事長の指名する個人正会員たる芳賀唯史が就く旨発議され、芳賀唯史理事長が議長に就任しました。

 続いて、青山佾会長より挨拶の後、議長より定款第34条に基づく議事録署名人として個人正会員の板谷伸彦氏を提案し、異議なく承認され、議事に入りました。

 議事は、第1号議案から第2号議案までを一括提案後、伊野瀬監事より監事監査報告を受け、その後第3号議案及び第4号議案を一括提案し、議案ごとの質疑、議案ごとの採決、及び報告事項については、一括して報告後、質疑の順で進行しました。

1.議案の提案

 議案書に基づき、磯辺浩一専務理事より、概要以下の提案が行われました。

(1) 第1号議案 2014年度事業報告承認の件

 2014年度は、集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の施行に向けての準備を課題として掲げていた。同制度に関する法律案は、昨年末公布され、現在政省令及びガイドラインの策定が進められているところ、当機構は、消費者庁の研究会に参考人として意見を述べるほか、各適格消費者団体と連携して意見を述べてきた。また、同制度を担うため、当機構内に組織基盤強化プロジェクトを設置し、理事長に答申したところである。

 差止請求関係業務については、着実な取り組みをすすめた。美容医療や建築請負事案を公表したこともあり、情報提供が多く寄せられた。

 裁判外の取り組みについて、新たな申入れは6件となり、過年度の申入れ事案も含め、改善等された事案を10件公表した。

 検討体制については、3つのワーキンググループと事案別の検討チームがあり、後者については2014年度末現在8チームが活動中である。

 政策提言活動については、商品先物取引の不招請勧誘禁止緩和反対、景品表示法の課徴金制度導入、新たな機能性表示食品などについて、意見を述べるとともに、議員に対する要請活動をおこなった。

 2014年度は、当機構設立10周年にあたったため、紹介DVDの作成、記念レセプションやミニセミナー等を開催した。

(2) 第2号議案 2014年度決算承認の件
  1. ①活動計算書について
    経常収益は1521万円、経常費用は1372万円であり、当期経常増減額は148万円の黒字となった。経常収益全体は、前年比66.5%、計画比105.7%となった。今年度は消費者庁からの受託事業が無く、経常収益が減少している。受取寄附金については81万4千円となり。前年実績、計画とも大きく上回った。これは、消費者支援基金が解散した際の残余財産の一部を寄付としていただいたことが要因である。経常費用全体では、前年比71.1%、計画比95.6%となった。今年度は、消費者庁からの受託事業がなかったことが費用減少の要因である。事業費計は800万7千円で、計画比の92.1%だった。要因としては、委託費が計画比62.6%となったことだが、これは、訴訟提起2件を予定していたところ、2014年度中の訴訟提起はなく、訴訟準備事案1件の委託料のみ発生したためである。 管理費計は572万円で、前年比108.9%、計画比101.1%。10周年記念レセプションは計画通りの執行であった。
  2. ②貸借対象表について
    流動資産が139万4千円、固定資産が基本財産等で1109万9千円、資産合計が2504万5千円である。負債合計が70万6千円であり、正味財産が2433万8千円となり、活動計算書の時期繰越正味財産額と附合している。
(3) 監査報告

 第1号議案、第2号議案提案の後、伊野瀬十三監事より、理事の業務執行は適正に行われ、日常の会計処理も適正で、決算諸表は正確に作成されている旨の監査報告が行われました。また、監査意見として以下の2点の指摘がありました。

  1. ①行政との連携強化を通じて集団的消費者被害訴訟制度の周知や適格消費者団体への信頼を醸成していくことが必要である。
  2. ②集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の担い手となることを目指し、組織・財政基盤の強化が喫緊の課題である。
(4) 第3号議案 定款の一部変更の件

 定款の一部変更の趣旨について次の提案がされました。①現在、当法人を代表する者は理事長一名であるが、差止請求業務や被害回復業務にあたり、利益相反関係や競業関係にある者の関与が制限されることから、代表者を二名とすること、②団体会員Bの要件の変更、③常任理事の職務の新設及び、④その他字句修正などをするもの。

(5) 第4号議案 役員補充選任の件

 第10回通常総会で選任された理事20名及び監事2名中、芳賀唯史、矢野洋子及び山内明子理事並びに伊野瀬十三監事が辞任することから、補充の理事3名及び監事1名の選任が、下記一覧のとおり提案されました。

理事候補者(敬称略・五十音順)
氏名 所属等
笹川 博子 日本生活協同組合連合会 執行役員組織推進本部長
橋本 恵美子 東京消費者団体連絡センター 事務局長
和田 寿昭 日本生活協同組合連合会 専務理事
監事候補者(敬称略・五十音順)
氏名 所属等
丸山 芳高 千葉県生活協同組合連合会 専務理事

2.議案の質疑

 第1号議案及び第2号議案について、以下の1点について質問が述べられました。

 税引き後利益が148万円余のプラスで正味財産が2433万円というのは、設立時1000万円から始めて10年で倍になったということで誠に良いこと。
 しかし、特定適格消費者団体として認定を受けた場合、新たな被害救済事業をすすめていく必要があり、更に財政基盤の安定が求められる。先ほどの事業報告で、組織基盤強化プロジェクトの話があったが、具体的にどういうことをするのか、答申について説明を求める。

 これに対し、磯辺専務理事から下記答弁がありました。

 特定適格消費者団体への支援については、消費者庁に検討を求めているが、国が直接財政支援をするのは難しいとのことである。
 2015年度活動計画にも記したが、賛助会員を募り300万円程度の収入増を図りたい、インターネットを利用した寄附等の手法についても研究したい、と考えている。

 第3号議案及び第4号議案については質疑がありませんでした。

3.議案の採決

 議長より、表決権総数131個中、出席45個、書面議決61個、委任状4個の合計110個が出席し、定款第31条の要件を充足して総会が成立していることが改めて報告され、議場閉鎖を行って直ちに採決に入りました。採決結果は以下のとおりです。

4.報告事項の報告と質疑

 磯辺浩一専務理事より、議案書に基づき、2015年5月7日に開催された第9回消費者機構日本理事会で確定した2015年度事業計画及び2015年度予算について報告が行われました。報告及び質疑は以下のとおりです。

(1) 2015年度事業計画

 集団的消費者被害回復に係る訴訟制度の施行に向けての準備を本格的に進める。

 組織基盤強化プロジェクト答申に沿って財務基盤強化施策の具体化と実施に取り組む。

 また、引き続き差止請求関係の事業を確実にすすめる。

課題1
特定適格消費者団体認定申請のための準備
課題2
組織・財政基盤強化の取り組み
課題3
差止請求関係業務の推進
課題4
政策提言活動
課題5
広報活動や消費者団体との連携を強め、消費者団体訴訟制度、集団的消費者被害回復のための訴訟制度及び消費者機構日本への理解と支持を広げる。
(2) 2015年度予算

 経常収入全体は会費収入をほぼ昨年度実績並みとする等固く見込み、経常支出については本年度は昨年度と異なり10周年記念事業のための予算がないことから、その分減額してある。

(3) 報告事項の質疑

 なし。

議長の退任及び閉会挨拶

 以上で全議事を終了し、18時33分、議長が閉会を宣し、本総会を終了しました。