消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

お知らせ

ラッキーバンク・インベストメント(株)の件について多数の情報提供をいただいておりますが、当機構にて集団的被害回復のための訴訟は行えないとの判断となりました。

 2018年12月中旬以降、当機構にラッキーバンク・インベストメント(株)の行うソーシャルレンディングの件につき、多数の被害情報のご提供をいただきました。

 この間、当機構内部にて、専門家による検討を行ってきましたが、本件について、当機構が集団的被害回復のための訴訟(共通義務確認訴訟)を提起することは行えないとの判断に至りました。

 ご期待をお寄せいただきましたのに、お役にたてず心苦しい限りです。

 被害者の皆様におかれましては、最寄りの弁護士会の法律相談にご相談いただくなど、各自で被害回復の取り組みを進めてくださいますようお願いします。

理由(2019年1月30日追記)

 消費者団体訴訟制度(被害回復)は、共通の原因で被害にあった多数の消費者の被害を回復する趣旨で制度設計が行われています。しかし、被害が現実に回復されるために必要な財源は、相手方の収入や資産に限られています。そのため、この制度が実効性を持つには、相手方に、相当程度の被害回復が見込めるだけの支払能力や資産があることが必要となります。

 本件では、当該事業者の資産について可能な範囲で調査するなどしましたが、多数の方の被害回復するに足る資産の確認ができておりません。

 この状態で、同制度の第一段階目である共通義務確認訴訟を提起して、事業者の責任が認められたとしても、第二段階目である簡易確定手続に参加されるであろう方々の被害回復は非常に困難であると考えざるを得ません。

 そして、第一段階目である共通義務確認訴訟に要した費用は、第二段階目の手続きに参加される被害者の方々にご負担をお願いすることになりますが、被害回復が望めない第二段階目の簡易確定手続きに、費用を負担してまで参加される被害者の方はほとんどいないと考えられます。

 さらに、訴訟中に相手方が破産した場合や、破産手続きを通して被害額の回収を行わなければならない場合には、本制度では対応できず、本制度の手続きはその段階で終了してしまいます。

 このような場合、第一段階目の訴訟に関する費用は、当機構の負担(持ち出し)となります。当機構の運営資金は、会費と寄付に頼っており、国から財政支援を受けている訳でもありません。このような、現実の被害回収が困難な事案について提訴することについて、当機構としては慎重な判断をせざるを得ませんでした。

 以上のような制度的制約から、本件については訴訟提起は困難との判断に至りましたことご理解いただければ幸いです。