消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

イベント等

第21回 通常総会記念企画 開催報告

1.日時
2025年6月10日(火)18時40分~20時10分
2.会場
主婦会館プラザエフ 4階シャトレ
3.参加者
45名(会場参加者18名、オンライン参加者27名)
4.テーマ
見守りネットワークと消費者団体訴訟制度の協働について
5.報告者
  1. ①消費者庁 地方協力課課長補佐 山本竜大様
  2. ②明治安田生命保険相互会社 
    お客さま志向統括部 お客さま志向推進グループ 田邉淳様
  3. ③日本生活協同組合連合会
    組織推進本部 社会・地域活動推進部 地域コミュニティグループ 前田昌宏様
  4. ④東京都 生活文化局 
    消費生活総合センター活動推進課高齢者見守り・連携担当 課長代理  伊藤甫様

企画概要

 消費者被害防止・救済のための「連携」をテーマに開催しました。
 独居化・高齢化が進展する中、消費生活センターであっても受身の姿勢で相談を待っているだけでは地域の安全・安心は確保できません。積極的に地域に出向いていく活動が求められており、そのための重要なスキームとして、消費者行政分野では消費者安全確保地域協議会(以下、見守りネットワーク)の設置が推進されてきました。見守りネットワークの最大のポイントは、地域福祉の現場を前提とした地域づくりの具体的な取組みであることです。今日では更に進んで、地域住民の分野横断的な支援ニーズに対応するため、省庁の所管を超えて重層的支援体制の整備が課題となってきています。
 見守りネットワークには「消費者に情報を届け」「消費者の異変に気づき」「消費生活センターにつなぐ」という3つの機能がありますが、法的観点からの特徴は「つなぐ」際にネックとなりやすい個人情報の取扱いで本人の同意を不要としていることです。
 消費者安全法では「消費者安全を確保するための取り組みを効率的かつ円滑に行うため」(11条の3)のスキ―ムとして秘密保持義務と個人情報保護の特例が整備されています。しかし、協議会の情報をそのまま適格消費者団体に共有することについては、法の目的規定で解釈できるのか、また、情報を提供する場合には通常、明確な根拠規定が法制度上用意されるのが一般的であるところ、どう考えるかといった議論があります。
 一方で、消費者安全法には「協力員・協力団体制度」という他の法令には見られない制度が設けられています。これは独立した建付けになっているので、見守りネットワークが設置されていなくても協力員・協力団体制度を機能させることができます。
 景品表示法(34条2項)と特定商取引法(58条の26)には、既に、協力員・協力団体は適格消費者団体の差止め請求に必要な情報を提供することができるという規定があります。協議会が設置されてなくても、協議会とは別制度である協力員・協力団体であれば、そこから地域の情報は適格消費者団体に提供することができることになります。地域の皆さんにこのような規定を認識いただくことができれば、既存の法制度の中において適格消費者団体に情報がより多く集まる仕組みとして活用することは可能です。
 見守りネットワークは地域現場での取り組みではありますが、国や都道府県レベルも加えた三層で様々な業界団体が顔の見える関係を作っていくことが重要です。現状の構成員のカテゴリーとしては、上位は福祉団体が占め、その次は警察になりますが、宅配、コンビニ、銀行等々の事業者関係も3分の1近く入っています。消費者行政は事業者とは対立構造となり易いところですが、地域においては、消費者団体も事業者も関係なく地域の安心安全を守るために協力する態勢を作っていく必要があります。