消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

差止請求訴訟

株式会社伸栄と当機構間において、2015年10月22日、「クリーニング表示のない商品・製造元が不明な商品は保証できません。」との記載及び「商品の保証はいかなる場合でもクリーニング料金の10倍までとさせていただきます。」との記載をやめるとの裁判上の和解が成立し、横浜地方裁判所に係属していた差止請求訴訟が終了しました。
(横浜地方裁判所平成27年(ワ)第1943号)

原告:当機構
被告:株式会社伸栄(神奈川県大和市)

 「クリーニングハウスアップル」、「クリーニングハウス アップル」、及び「アップル」の名称で、神奈川県大和市、藤沢市、綾瀬市、及び横浜市においてクリーニング所及びクリーニング取次所を経営する株式会社伸栄(神奈川県大和市)は、同社が経営するクリーニング店において、「クリーニング表示のない商品・製造元が不明な商品は保証できません。」、「商品の保証はいかなる場合でもクリーニング料金の10倍までとさせていただきます。」といった文章が印刷された会員契約書を使用していたり、同様の店内表示をしていたりしていました。

 これらの表示は消費者契約法に抵触し無効であることから、当機構は、これらの表示をやめることを求め、訴訟を起こしました(横浜地方裁判所平成27年(ワ)第1943号)。

 2015年10月22日、当機構と同社間において、下記各条項を主な内容とする裁判上の和解が成立し、同訴訟は終了いたしましたのでお知らせします。

  1. 1 被告は,消費者との間でクリーニング契約を締結するに際し,下記内容の意思表示を行わない。

    1. (1) 被告が消費者から預かった洗濯物を滅失・毀損し,これによって消費者に損害を与えた場合の損害賠償額をクリーニング代金の10倍を上限とする旨の意思表示
    2. (2) 被告が消費者から預かった洗濯物に洗濯の絵表示のない場合や製造元が不明な場合は,被告がこれを滅失・毀損し,よって消費者に損害を与えた場合であっても一切損害賠償責任を負わない旨の意思表示
  2. 2 被告は、原告に対し、既に前項の意思表示が記載された契約書,メンバーズカード,店頭表示,及びお預かり票その他の一切の表示はこれを破棄し、今後も使用しないことを確約する。
  3. 3 被告は,その従業員らに対し,1項記載の意思表示を行ってはならないことを周知・徹底させる措置をとる。
  4. 4 被告は原告に対し,被告の締結する契約について,消費者からの苦情・相談があった場合には,真摯に対応することを誓約する。

 今後、万一、上記のような説明を受けた消費者の方がいらっしゃいましたら、当機構までお知らせください。