消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

申入れ・要請等

(株)マーケットエンタープライズ(ネット型リユース事業)の売買契約書で、違約金条項の削除などの是正が行われました。

 消費者機構日本は消費者からの情報提供を受け、株式会社マーケットエンタープライズ(東京都中央区)に対して、当該事業者が使用する「売買契約書 契約条項」について申入れを行いました(2025年5月19日付)。
 当該事業者から、当機構の申入れの内容を受け入れて、契約条項を改定するとの回答書(2025年6月3日付)を受領したことから、本協議を終了しました。
 当該事業者は、改定後のご利用規約を2025年7月1日から使用を開始しています。

 当機構が申入れをした内容と当該事業者の回答は下記のとおりです。

消費者機構日本の申入れ等の内容 株式会社マーケットエンタープライズの回答
申入れ1  違約金を課す売買契約条項第13条(契約の解除及び違約金)5項
 売買契約条項第13条1項ないし4項及び第14条(強制解約)により解除となった場合には、本契約の履行に要した費用相当額のほか、さらに違約金として金100万円を支払うとしています。
 消費者契約法第9条1項1号によれば、当該消費者契約の解除に伴って事業者が消費者に請求できる「違約金」として、「平均的な損害の額を超える部分」については無効であると定めています。
 本件では、本契約の履行に要した費用相当額だけで、上記平均的損害を充分に満たします。そのほかにも違約金100万円を請求することは上記平均的損害を超過することは明らかです。
 よって、直ちに撤廃するよう求めます。
 第13条5項については、申入れを踏まえて削除します。
申入れ2  無催告解除を定める売買契約条項第13条(契約の解除及び違約金)1項及び同条2項、第14条(強制解約)の(1)
  1. ①第13条1項
    第2条記載の車両の引渡しをしない場合及び第3条記載の名義変更に必要な書類の引渡しを完了しない場合、第3条3項記載の不足金額を支払わない場合に無催告解除をできる。
  2. ②第13条2項
    抵当権等の担保権または差押え等を解除できなかった場合に無催告解除をできる。
  3. ③第14条(1)
    本契約の一つでも違反した場合に無催告解除をできる。

 民法第542条で無催告解除が認められているのは、「債務の全部の履行が不能であるとき」をはじめ契約の履行が不能ないし不能となることが確実な場合に限定されています(民法第542条各号)。
 これらの貴社の無催告解除を定める各規定は、民法が債務不履行解除について解除に先立ち相当の期間を定めて催告をすることを原則とし、履行不能ないし不能となることが明白な場合に無催告解除を例外的に認めることを否定するものであり、消費者契約法第10条の「前段要件」に該当します。
 そして、何らかの事情があって、車輌や書類の引き渡しや不足額の支払いが遅れる場合や抵当権等の解除が遅れる場合、些細な契約違反である場合のように契約当事者間の信頼関係が直ちに破壊されているとまで言えないときにも、その事情を考慮することなく、契約解除を認めてしまうことになり、消費者契約法第10条の「後段要件」に該当します。
 よって、履行が不能ないし不能となることが確実とは言えない場合にも、催告解除を定める各規程は、消費者契約法第10条に該当し、無効であるから、直ちに撤廃されるよう求めます。
 左記の各規程が消費者契約法第10条の「民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するもの」に該当する理由として、「些細な契約違反である場合のように契約当事者間の信頼関係が直ちに破壊されているとまで言えないときにも、その事情を考慮することなく、契約解除を認めてしまうことになる」ことを挙げられております。
 このような考え方は、賃貸借契約や保険契約等の継続的契約においては該当しますが、1回的契約かつ売買価格も比較的高額である中古車売買契約には該当しないものと考えております。
 しかしながら、消費者契約法の観点から再検討した結果、改定後の「売買契約書 契約条項」の第13条から第16条の通り、改定します。

改定内容に関する当機構のコメント

基本的には当機構の申入れを受けて改定いただいたと評価できます。