消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

消費者機構日本とは

第18回通常総会報告

 消費者機構日本の第18回通常総会が2022年6月14日(火)に開催されました。今回も新型コロナウィルス感染防止の観点より、書面議決または委任状での出席をお願いし、実出席については理事等、最低限の人数で開催いたしました。皆様のご協力に感謝申し上げます。以下、第18回通常総会の概要をご報告いたします。

日時

2022年6月14日(火)17時30分から18時20分

場所

東京都千代田区六番町15 主婦会館プラザエフ5階第1会議室
※オンライン会議システムによる双方向参加を含む。

参加者

出席表決権総数 107(表決権総数 120の過半数で成立)(実出席表決権数:26(うちオンラインによる出席 12)委任状出席:3、書面表決者:78)

議題

審議事項

  1. 第1号議案 2021年度事業報告承認の件
  2. 第2号議案 2021年度決算承認の件
  3. 第3号議案 役員選任の件

報告事項

  1. 2022年度事業計画
  2. 2022年度予算

審議事項

第1号議案 2021年度事業報告承認の件

 被害回復の活動としては、東京医科大学との簡易確定手続が2021年度で完了し、順天堂大学についても2022年秋頃に完了する見通しである。これら訴訟の報酬によって正味財産が増加しており、今後の活動に活かしていかなければならない。一方で情報商材に係るワンメッセージ訴訟では一審・二審ともに訴訟要件を欠くとして門前払いとなり、上告受理の申立てを行っているところである。

 差止請求では、エーチーム・アカデミー訴訟は一部勝訴を得たが、控訴審に進んだ。その他、2021年度は新たに2件の差止請求訴訟を提起した。

 2021年度の新たな裁判外の申入れは3件、要請は2件、検討のための問合せは7件となり、過年度からの申入れ事案も含め、改善結果または経過について18件を公表した。設立以来の累計では148件で是正を図ることができた。

第2号議案

(1)2021年度決算承認の件

 会計期間は2021年4月1日から2022年3月31日、資金の範囲は現金・預金、商品券、未収金、未払い金、預り金等を含めたものである。

 2021年度は収益事業を行ったため、都民税の均等割り(70,000円)の納税義務が生じており、未払い金に計上した。

 活動計算書については、経常収益32,328千円余に対し、経常支出29,068千円余となり、東京医科大学訴訟の収益により、当期経常増減額は約325万円の増(黒字)となった。

(2)監査報告

 理事の業務執行は適正に行われ、日常の会計処理も適正で、決算諸表は正確に作成されている旨の監査報告が監事より行われた。また、監査意見として以下の2点の指摘があった。

  1. ①特定適格消費者団体として被害回復関係業務を着実に実施できるよう、さらに財政強化と体制整備を進められたい。
  2. ②引き続き、行政との連携強化を通じて、消費者団体訴訟制度についての社会的理解や、適格消費者団体への信頼を広げていくよう努められたい。

第3号議案 役員選任の件

 理事19名と監事2名は第18回通常総会終結時をもって全員任期満了となり、理事23名(17名再任、6名新任)と監事2名(1名再任、1名新任)の選任が提案された。

質問と回答

 提案された議案に対しての質問と回答は次のとおりでした。

社会的な認知度を向上させていく必要性について(第1号議案関連)
[質問]
東京医科大学訴訟の報酬によって収益が確保できたとの報告があったが、会員数については増加が見られない。消費者機構日本の活動が世間に認識・評価されるように、広報の取り組みを強め、広く社会に訴求する活動を工夫して進めてほしい。
〔回答〕
認知度向上の必要性は、昨年の消費者庁有識者会議でも議論され、今国会での法改正により特定適格消費者団体支援法人が新たに設けられることとなっている。適格消費者団体は全国で22団体まで増えているものの個々の団体は小規模で十分な広報は望めないが、支援法人の活動として前進させていく可能性はある。

リアル開催による企画の実施について(第1号議案関連)

[質問]
コロナ禍も終息が見えつつあるのではないかと感じている。オンライン企画ばかりでなく、リアル参加の場を設け、他団体とのコラボ等を進めていってほしい。
〔回答〕
この後報告する2022年度事業計画の中では、最近数年開催できなかった検討チーム間の研究交流集会を計画している。広く会員や他団体を含めた参加の場については計画できていないが、参加感や連携強化の点から重要なご指摘と受け止める。

議案の採決

 議長より定款第31条の要件を充足して総会が成立していることが改めて報告され、議場閉鎖を行って直ちに採決に入り、いずれの議案も賛成多数で可決・承認されました。

報告事項

1.2022年度事業計画(2022年5月12日第12回理事会議決)次の課題に取り組んでいく。

課題1
事案検討体制の充実強化
課題2
消費者被害の未然防止・拡大防止のため差止請求関係業務を推進
課題3
集団的消費者被害回復のための被害回復関係業務を推進
課題4
広報活動及び他団体との連携
課題5
組織・財政基盤強化
課題6
政策提言

2.2022年度予算(2022年5月12日第12回理事会議決)

 経常収益50,918千円を計画。被害回復訴訟による収益を含んでいる。経常支出35,840千円を計画。差止請求訴訟及び被害回復訴訟の費用を含んでいる。経常増減は15,078千円の増(黒字)を見込んでいる。

質問と回答

 報告事項についての質問と回答は次のとおりでした。

[質問]
事案検討体制を強化するとのことだが、検討プロセスがどのようなものか教えて欲しい。また、この事案検討の場には一般会員も参加することはできるのか。
〔回答〕
消費者から寄せられた情報提供を手掛かりに、各検討チームや差止請求委員会、被害回復委員会、理事会の場で、専門家の協力の下に慎重に取扱いを検討している。しかしこの検討プロセス自体には守秘義務が課されており、オープンな参加で進めることはできない。相手方とのやり取りを経て一定の結論を得た段階で、被害の防止・救済の観点から公表していくことになる。公表後の段階で事例報告会的な企画は可能だと思う。

以上ですべての議事を終了しました。

 閉会後、本総会をもって退任された長見副理事長、磯辺理事、稲村監事よりご挨拶をいただきました。

※第18回通常総会に引き続き、第1回理事会を開催しました。第18回通常総会で選任された理事により、代表理事と役職者を互選しました。確定した役員名簿は、以下の通りです。

<理事>(敬称略・役職順、同一役職においては50音順)
役職 名前 所属・経歴
会長 中山 弘子 特別区人事委員会委員長 前新宿区長 再任
代表理事
理事長
菅波(二村) 睦子 日本生活協同組合連合会 常務理事 再任
代表理事
副理事長
佐々木 幸孝 弁護士 再任
副理事長 永沢 裕美子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 代表理事 副会長 再任
副理事長 村 千鶴子 日本消費者協会 理事長 新任
専務理事 板谷 伸彦 消費者機構日本 事務局 再任
理事 岩田 修 弁護士 再任
理事 浦郷 由季 全国消費者団体連絡会 代表理事(事務局長) 再任
理事 大谷 聖子 消費生活相談員 再任
理事 大冨 直輝 司法書士 再任
理事 吉備 幸絵 消費者機構日本 事務局 新任
理事 小浦 道子 東京消費者団体連絡センター 事務局長 再任
理事 鈴木 敦士 弁護士 新任
理事 瀬戸 和宏  弁護士 再任
理事 長田 三紀 情報通信消費者ネットワーク 再任
理事 中野 和子 弁護士 再任
理事 橋本 康正 日本消費者協会 専務理事 再任
理事 平野 裕之 慶應義塾大学法科大学院教授 新任
理事 福長 恵子 日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 顧問、消費者相談室副室長 再任
理事 宮城 朗 弁護士 再任
理事 本木 時久 日本生活協同組合連合会 組織推進本部長 新任
理事 森 哲也 弁護士 新任
理事 唯根 妙子 消費生活専門相談員 再任
<監事>(敬称略・50音順)
役職 名前 所属・経歴
監事 大木 茂敬 司法書士 新任
監事 上山 精一 千葉県生活協同組合連合会 専務理事 再任