消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

差止請求訴訟

エーチーム・アカデミー差止請求訴訟
最高裁判所において、事業者による上告が棄却され、控訴審判決が確定しました。

 本件は、芸能人養成校を運営する(株)エーチーム・アカデミーが入学時諸費用(38万円)について、退学等の場合返金しないと定めていることに対し、そのような意思表示を行わないよう差止請求訴訟を提起した事案です。

 東京高裁において控訴審判決が2023年(令和5年)4月18日に言い渡されていましたが、事業者が上告及び上告受理申立を行っていました。

 2024年3月15日、最高裁により、上告棄却、上告不受理の決定がなされ、上記の控訴審判決が確定しました。

 これにより、エーチーム・アカデミーは、退学や除籍処分の際、入学時諸費用(38万円)のうち7万円を超えて返還しないとの意思表示をしてはならないということになります。

今後について

 上記最高裁判決を受けて、当機構としては、同校に対し、学則中の不当条項と判断された部分につき速やかに改訂し、かつ運用を改めると共に、過去の受講生の方々についても自主的な返金対応を通知、案内し、実行することを求めています。

 また、同校が、このような東京高裁判決の趣旨に沿った自主的対応を行わない場合には、消費者裁判手続特例法に基づく被害回復訴訟の提起も検討する予定です。

経過

2018年(平成30年)5月16日に提訴しました。

 2021年(令和3年)6月に一審判決が言い渡され、1審は「13万円」を超えて不返還とする意思表示を行わないよう判示しました。13万円のうち12万円を「受講者としての地位」の対価として不返還とすることを認めた点について、当機構は不服であり控訴審で争っておりました。(双方控訴)

 2023年(令和5年)4月に控訴審判決が言い渡され、控訴審は「7万円」を超えて不返還とする意思表示を行わないよう判示しました。これに対し、事業者が上告及び上告受理申立を行い、当機構も同手続を利用して、附帯上告受理申立を行っておりました。

 2024(令和6)年3月15日、最高裁は、事業者の上告を棄却し、上告不受理決定を下しました。これによって、入学時諸費用のうち7万円を超える部分の不返還を定める同校の学則は不当条項として無効であるとの上記東京高裁判決の内容が確定したことになります。