消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

申入れ・要請等

株式会社りそな銀行がカードローン契約規定から、相続開始時の期限の利益の喪失条項を削除する方針であることを確認しました。

協議結果

 消費者機構日本は、株式会社りそな銀行(以下、「りそな銀行」)が、新規取扱い及び既存の無担保カードローンの「カードローン契約規定」から、相続開始時の期限の利益の喪失条項(以下、「本件条項」)(※)を削除する方針である旨の回答書を受け取りました。

(※)本件条項とは「カードローン契約規定」の第12条1項(7)で、申入れ時は次のような内容でした。

第12条(即時支払)

  1. 借主について次の各号の事由が一つでも生じた場合には、借主は銀行からの請求がなくとも、本契約による貸越元利金(損害金を含む)の全額をただちに支払うものとします。
    (1)~(6)省略
    (7)相続の開始があったとき

申し入れ

 消費者機構日本は2019年12月13日、りそな銀行が無担保カードローンの「カードローン契約規定」で使用している本件条項には、消費者契約法第10条違反があるとして削除を求める申し入れを行いました。

回答

 りそな銀行からは、以下の回答(2021年8月18)がありました。

  1. 対応内容
    弊社は新規取扱中のカードローン商品の「カードローン契約規定」から「相続の開始」があったことを期限の利益の喪失事由から除外することとします。
    また、既存先についても弊社が別口座型と分類するカードローン商品についても同様に「カードローン契約規定」から「相続開始」があったことを期限の利益の喪失事由から除外することと致します。
  2. 対応時期
    今後社内手続き、システムなどを整備のうえ、2022年3月末までに対応を完了させる予定です。

りそな銀行の現在の取扱い

 相続人がりそな銀行から被相続人の貸越元利金等の一括弁済を請求されなくなるのは、りそな銀行が本件条項を削除する2022年3月末ごろ(2021年10月時点の予定)となります。

 りそな銀行によれば、現在の運用は、一括弁済を求める場合であっても数か月間の支払い猶予を設けていること、そして、保証会社に債務が移ったあとでも保証会社が相続人の経済状況を考慮の上、分割弁済に応じているとのことです。

評価

 当機構は、りそな銀行が相続時の対応に伴う負担が発生するなか、本件条項の削除を決定した企業姿勢を評価します。

 なお、りそな銀行は、本件条項を削除した「カードローン規定」を2022年4月1日から使用を開始しています。