消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

被害回復訴訟

2020第8回ニューヨーク合唱フェスティバル演奏参加費返還手続きへの参加のご案内
:参加締切り(書類提出期限)は2025年11月21日(金)(必着)です。

共通義務確認訴訟判決により一般社団法人文化芸能国際交流機構(以下、ジェクサと言います)の演奏参加費返還義務が確定したことを受けて、当機構から東京地方裁判所に対し演奏参加費相当額の返還手続きの開始を申し立てていたところ、2025年9月1日に開始決定(簡易確定手続開始決定)が出されました。
対象となる方々に本手続への参加方法をご案内します。本サイトの掲載内容及び各リンク書面をよくお読みになり、本手続きへの参加をご判断ください。
掲載内容等にご不明な点等がございましたら当機構へお問い合わせください。

【簡易確定手続申立団体の名称】
特定適格消費者団体・特定非営利活動法人 消費者機構日本

【事件名】

  • 相手方:一般社団法人文化芸能国際交流機構
  • 裁判所:東京地方裁判所 民事第20部
  • 事件番号:令和7年(集)第1号 簡易確定手続開始申立事件

【当機構に授権する業務内容】
簡易確定手続、異議後の訴訟、民事執行手続、証拠保全手続、相手方から支払いを受ける等した回収金の分配その他これらの手続に付随する一切の行為
(ただし、分配は1回とし、その後の追加的な債務名義の執行については受任範囲に含みません。
その他、詳細は、「簡易確定手続及び異議後の訴訟の授権契約書」第1条を参照ください。)

【参加対象者】
ジェクサとの間で、ジェクサが主催する2020年(令和2年)3月11日実施予定の「2020第8回ニューヨーク合唱フェスティバル」に参加して演奏する契約を締結し、ジェクサに演奏参加費を支払った消費者

【参加締切り(書類提出期限)】
2025年11月21日(金)(必着)

【書類提出先】
〒102-0085
東京都千代田区六番町15 主婦会館プラザエフ6階
消費者機構日本 ジェクサ 授権受付 係 

【その他ご留意いただきたい事項】

  • 本手続きも裁判手続きです。ジェクサから回収できる金員は今回の手続きの結果によりますので、必ず支払いが受けられるわけではありません。なお、本手続きに先立ち、ジェクサの預金17万円余りの仮差押えを行っています。これについては、消費者裁判手続特例法第64条に基づき平等に取扱います。
  • 本手続きに参加した場合は、演奏参加費については、他の手続きでジェクサに請求することができなくなります。本手続きに参加しない場合は、他の手続きでジェクサに請求することは妨げられません。
  • 本手続きに参加し、債権届出をした後に当機構への授権を撤回した場合は、届出債権の取下げがあったものとみなされますので、本手続きにてジェクサから演奏参加費等の返還を受けられる対象者ではなくなります。また、債権届出後に当機構への授権を撤回した場合でも、「手続参加の費用」はお支払いいただくことになります。(授権契約書第7条2(1))
  • 本手続きでジェクサが個別に支払うべき金額が決定されますが、これに不服がある場合は異議を申し立てることができます。この場合は届出をした消費者又は授権を受けた特定適格消費者団体(消費者機構日本)を原告とする裁判手続き(異議後の訴訟)で金額が決定されます。
  • 異議後の訴訟は簡易確定手続きとは別個の手続きとなりますが、当機構への授権については簡易確定手続の授権と合わせて行います(授権証明書を2通ご提出いただきます)。ただし、異議後の訴訟に移行するかどうかについては、事前にご本人の意向を確認することとします。
  • 本手続きに参加するか否かはご自身の任意のご判断です。参加しないことを選択される場合、当機構への連絡や書類の送付等の必要はありません。

<問合せ先・申立団体>
消費者機構日本 事務局
電話:03-5212-3066 平日10時00分~16時00分
FAX:03-5216-6077
本件専用メールアドレス:jxa@coj.gr.jp

1.被害回復裁判手続の概要

通常の裁判は勝つか負けるか分からないところから始めなければならず、少額の被害者にとってはハードルが高い手続になります。これに対して、消費者裁判手続特例法による被害回復裁判手続は先ず国の認定を受けた消費者団体(特定適格消費者団体)が裁判を起こし(一段階目の訴訟)、裁判で事業者の支払義務が認められた後に被害を受けた消費者に参加していただきます(二段階目の手続)。
参加者は必要な書類を特定適格消費者団体に提出するだけで、裁判に出席する必要はありません。
このように被害回復裁判手続は通常の裁判よりも少ない負担で支払が受けられる手続となっています。

※ 参照(消費者庁ホームページ) 消費者団体訴訟制度とは | 消費者庁
※ 債権届出期間内に届出をしなければ被害回復裁判手続を利用することはできません。
※ 債権届出をしなくても他の手続等により請求することは妨げられません。
※ 債権届出をしてもそれが認められない可能性があります。
※ 簡易確定手続中に授権を撤回すると債権届出の取下げがあったものとみなされます。

2.事案の内容

ジェクサは、2020年3月11日に米国ニューヨーク市のカーネギー大ホールにおいて合唱フェスティバルの開催を計画し、消費者との間で本件フェスティバルに参加して演奏させる契約を締結して演奏参加費を徴収しました。ジェクサには演奏参加費を支払った消費者を合唱団演奏者として本件フェスティバルに参加させる債務があるところ、新型コロナウイルス感染症の影響で開催が延期されたため、その債務を履行することができませんでした。
当事者双方の責めに帰することのできない事由により履行不能となった場合、改正前の民法第536条第1項の定めにより消費者の支払義務は消滅します。ジェクサが支払を受けた演奏参加費は法律上原因のない利得となることから、当機構は消費者裁判手続特例法に基づき、不当利得返還義務の確認を求める訴えを提起しました。
一審判決は、当機構の請求を全部認容し、ジェクサはこれを不服として東京高等裁判所に控訴しましたが、東京高等裁判所は控訴を棄却する判決を言い渡し、2025年2月26日に判決が確定しました。

3.確定判決の内容

ジェクサが、対象消費者に対し、個々の消費者の事情によりその金銭の支払請求に理由がない場合を除いて、次の金銭支払義務を負うことを確認する。

  1. (1) 対象消費者がジェクサに支払った演奏参加費相当額の不当利得返還の支払義務
  2. (2) 上記(1)の不当利得返還義務に係る金員に対する履行請求の翌日から支払済みまで年5分の割合(ただし、履行請求の翌日が2020年4月1日以降である場合は年3分の割合)による遅延損害金の支払義務

4.対象債権及び対象消費者の範囲

    【対象債権の範囲】
  1. ①消費者がジェクサに支払った演奏参加費相当額
  2. ②上記①に係る遅延損害金

【対象消費者の範囲】
ジェクサとの間で、ジェクサが主催する令和2年(2020年)3月11日実施予定の「2020第8回ニューヨーク合唱フェスティバル」に参加して演奏する契約を締結し、ジェクサに演奏参加費を支払った消費者

5.手続きに参加される方々から当機構にお支払いいただく費用・報酬

消費者裁判手続特例法第82条及び特定適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドライン(2(6))に基づき、手続きに参加される消費者の皆様にご負担いただく費用・報酬に関して当機構の業務規程に費用・報酬規程を定めています。(下のリンクの別紙3(p29からp32))

この規程に従い、要した費用の総額(コチラ)を手続き参加者に配賦してご負担いただきますが、本件の場合、一人当たりの債権額が14~17万円程度で、連絡のつく対象消費者の数も少ないことから(※1)、個々の債権に占める負担割合が大きくなってしまいます。しかも、ジェクサの資力の問題もあり、最終的に返金するための金員を確保できる可能性は大きくはありません(※2)。

上記のような個々の負担額の問題や実際の回収可能性の問題をふまえ、本件については手続きに参加される消費者の皆さんにご負担いただく金額を次のように設定します。(表示は全て税込金額)

(1) 手続参加の費用 (2) 債権届出後の費用・報酬 ご負担金額の合計
当機構の規程に基づくご負担金額 55,000円 16,000円 71,000円
・分配金が無かった場合
(最低限お支払いいただく金額)
3,000円 なし 3,000円
・分配金があった場合
(ただし、分配金の50%未満を上限とします)
52,000円 16,000円 68,000円

(1)「手続参加の費用」について

:分配金が無い場合でも最低限お支払いいただく金額を3,000円とし、残金52,000円については分配金がある場合にその中から控除させていただきます。

(2)「債権届出後の費用及び報酬」

:上記(1)の残金52,000円を含め、分配金から控除させていただきます。

(3)上記(1)(2)のご負担額と清算方法

①分配金が3,000円以上の場合のご負担額:
 3,000円+(分配金-3,000円)×0.5未満

②分配金が3,000円未満の場合のご負担額:
 3,000円

(4)異議後の訴訟に移行する場合や民事執行手続を行う場合の費用及び報酬について

:上記(2)「債権届出後の費用・報酬」に加算し、上記(3)の方法で清算させていただきます。

6.手続きへの参加方法(当機構への授権手続)

当機構が既に連絡先を把握している対象消費者に対しては、2025年10月末頃に本手続きへの参加方法等を記載した関係書類一式を普通郵便で発送します。
この公告をご覧になり、4.に記載した参加対象者に該当すると思われる方は、下のリンクから簡易確定手続参加登録のフォームにアクセスし、書類の送付先をご記入ください。当機構から手続書類一式をお送りします。

なお、次の「7.提出書類と手続きについて」から必要書類をダウンロードしてご記入のうえ、当機構まで送付いただいても結構です(特定記録や簡易書留、レターパック等の到達が確認できる郵送方法)。送料は各自ご負担願います。

※簡易確定手続きに参加することにより、ジェクサに対する債務名義を取得する可能性はありますが、ジェクサの資力の問題もあり、最終的に返金するための金員を確保できる可能性は大きくはありません。予めご承知ください。

7.提出書類と手続きについて

本手続きに参加する場合に当機構に提出していただく書面です。必ず内容をご確認のうえ、必要事項を記入し、参加締切り日(書面提出期限)までに当機構に返送(特定記録や簡易書留、レターパック等の到達が確認できる郵送方法)してください。なお、送料は各自ご負担願います。

8.当機構から授権契約を拒絶し、解除させていただく場合の理由

(1)当機構が、簡易確定手続及び異議後の訴訟の授権契約の締結を拒絶する場合は以下の通りです。

  1. ①本手続きへの参加を申し出た者が、必要な書類や契約書を提出しない場合。
  2. ②本手続きへの参加を申し出た者が、「簡易確定手続及び異議後の訴訟の授権契約書」に定める費用や報酬の負担を拒否する場合。
  3. ③当機構が定めた手続参加の締切り期日を経過した後に、参加の申し出があった場合。
  4. ④授権契約に基づき分配するため、分配の時期や金額に調整があり得ることについて了解いただけない場合。
  5. ⑤本手続きへの参加を申し出た者が反社会的勢力であり、その活動の一環として委託をしているなど、不当な利益を得るために委託をしている場合。
  6. ⑥簡易確定決定で全部又は一部の棄却とされたところ、当機構(債権届出団体)としても妥当な結論であり、それを覆すのが難しいと判断している場合であり、簡易確定決定に対し、本手続きへ参加した者の異議を申し立てることについて、当機構との間で判断が相違したまま合意が得られる見込みがなく、今後の信頼関係が維持できない場合。

(2)その他、簡易確定手続又は異議後の訴訟の授権契約を解除する場合の理由については、「簡易確定手続及び異議後の訴訟の授権契約書」第6条を参照ください。

9.手続き参加締切日以降の予定

11月21日:当機構の手続き参加締切期限(皆様からの書類提出期限)
11月25日~:債権届出の準備期間
12月8日:当機構から裁判所への債権届出期限
2026年3月2日:ジェクサから裁判所への認否の届出期限

~現時点でこれ以降の手続きの日程は未定ですが、次のような進行が予定されています~

10.個人情報の取扱いについて

(1)提供を受けた個人情報は、次の①②の目的のために利用します。

  1. ①授権契約の目的の達成
  2. ②消費者団体訴訟制度の改善目的のためのアンケートのご案内

(2)提供を受けた個人情報を第三者に提供するのは、次の①~③の場合です。

  1. ①簡易確定手続及び異議後の訴訟においては、提供を受けた個人情報を本契約の目的を達成するために必要な範囲で当機構の代理人、裁判所並びにジェクサ及びその代理人に提供します。
  2. ②書面の送付を委託する場合、その委託先に氏名・住所を提供します。
  3. ③債権額が確定し、ジェクサから回収した金員を分配する際には、振り込み手続に係る金融機関に、ご指定の口座の情報を提供します。

11.授権契約の終了に伴う清算について

本手続きに参加した方が当機構との授権契約を終了する際の清算は次のとおりです。

(1)債権届出をする前の解除
本手続きに参加した方から受領した金員がある場合は、当機構はその全額を返金します。

(2)債権届出をした後の解除

  1. ①当機構の責めに帰すべき事由がなく本契約が終了するときは、当機構は本手続きに参加した方に手続参加のための費用を請求することができるものとします。
  2. ②当機構の責めに帰すべき事由がなく本契約が終了するときは、当機構は本手続きに参加した方と協議の上、本件業務の処理の程度に応じて、手続参加のための費用の全部並びに債権届出より後の費用及び報酬の全部若しくは一部を請求することができるものとし、又は未払の民事執行手続の費用、異議後の訴訟に関連する証拠保全の費用、異議後の訴訟の費用及び着手金の一部を請求することができるものとします。ただし、清算のための費用は本手続きに参加した方の負担とします。
  3. ③本件業務が相当程度進行し、当機構の責めに帰すべき事由がないにもかかわらず、本手続きに参加した方が本契約を終了させ当機構の報酬請求権を侵害したときは、当機構は本手続きに参加した方に対し、報酬を請求することができるものとします。

(3)その他、授権契約の終了に伴う清算についての詳細は、「簡易確定手続及び異議後の訴訟の授権契約書」第7条をご参照ください。