消費者機構日本(COJ)は、消費者被害の未然防止・拡大防止・集団的被害回復を進めます

申入れ・要請等

auじぶん銀行株式会社がローン規約から、相続開始時の期限の利益の喪失条項を削除する方針であることを確認しました。

協議結果

 auじぶん銀行株式会社(以下、「auじぶん銀行」は、無担保カードローンである「じぶんローン ローン規約」(口座保有者、口座非保有者)から、2020年度下期から2021年度上期を目途として相続開始時の期限の利益の喪失条項(以下、「本件条項」)(※)削除するとのことです。

 また、auじぶん銀行は、下記回答②のとおり、本件条項を削除するまでの期間も、基本的には「借主に相続の開始があったこと」のみを理由として、直ちに貸越元利金等の一括弁済を求めるといった対応は控えることを予定しているとのことです。

 これにより、相続人は、相続の開始のみを理由として、auじぶん銀行から、直ちに貸越元利金等の一括弁済を求められる等がなくなりました。

(※)じぶん銀行の本件条項とは「ローン規約」(口座保有者、口座非保有者)の第13条1項(7)です。

第13条 即時支払

  1. お次の各号の事由が一つでも生じた場合には、当行からの通知、催告がなくても貸越元利金等の全額について当然に弁済期が到来するものとし、借主は直ちに貸越元利金等の全額を当行に支払うものとします。
    (1)~(6)省略
    (7)借主に相続の開始があったとき。
    (8)省略

申し入れ

 消費者機構日本は、2019年12月13日、auじぶんが無担保カードローンである「じぶんローン ローン規約」(口座保有者、口座非保有者)で使用している本件条項には、消費者契約法第10条違反があるとして削除を求める申し入れを行いました。

回答

 auじぶん銀行からは、本件条項がただちに消費者契約法第10条に違反しているとは考えていないものの、顧客本位の観点から、以下の対応とするとの回答(2020年1月14日及び3月19日)がありました。

  1. ①「ローン規約」から本件条項を削除する方針。対応時期は帳票改訂に係るシステム対応等を考慮し、現時点では2020年度下期から2021年度上期を目途としている。
  2. ②基本的には「借主に相続の開始があったこと」のみを理由として、直ちに貸越元利金等の一括弁済を求めるといった対応は控えることを予定しているが、他の期限の利益喪失事由が発生している事案なども想定されるので、各事案における具体的な対応は、保証会社と協議のうえ、ケースバイケースで決定する。

評価

 当機構は、auしぶん銀行が、帳票改訂等の対応に伴う負担が発生するなか、本件条項の削除を決めた企業姿勢を評価します。